演奏後インタビュー② ヴァライジア・ブラスバンド

 

ヨーロピアンの演奏後には各バンドから2〜3人、ステージを降りてすぐに呼び出されてインタビューを受けていました。

 

 

今回は前回2018年ヨーロピアン王者、スイスのヴァライジア・ブラスバンド。

指揮者のアーセン・デュークと、プリンシパル・コルネットのヴィンセント・ビアパークの2人がインタビューを受けていました。

音作り、特にダイナミクスについて話していたので、日本語に訳して書いていきます。

 

質問者:イワン

回答者1:アーセン(指揮者)

回答者2:ヴィンセント(プリンシパル・コルネット)


 

イワン:さて、前回王者、ヴァライジア・ブラスバンドによるサイモン・ドブソン作曲「ガラス」の素晴らしい演奏でした。指揮者のアーセン・デュークにお話を伺いましょう。
アーセン、素晴らしい演奏をありがとうございました。凄い曲ですね!

アーセン:はい、凄い曲です。素晴らしいと思います。

イワン:この曲にどのように取り組んだか教えてください。(昨年11月の)スイス・ナショナルズでも同じ曲を演奏していましたが、物凄く難しい曲ですよね?

アーセン:はい、技術的にもとても難しいですし、たくさんの種類の雰囲気、空気を作る必要がありましたが、それらを全て仕上げましたのでとても満足しています。

イワン:曲の出だし、とても緊張したと思います。テナーホーンが何も無いところからの高音域のp(ピアノ)の音が「出現」しました。彼女(テナーホーン奏者)は素晴らしかったですね。バンドにとっても最高のスタートが切れたと思います。

アーセン:はい、あれはとても難しいのですが、あの出だしが問題無かったら最高だと思っていたので、上手くいって良かったです。

イワン:もう少しお話しさせてください。曲の中で色々な「テクスチャー(質感)」を見つけなければいけなかったと思います。しかし、”常に最大音量”の音ではなく、”間の位置”に腰を置いていました。

アーセン:はい、そうです。全てのパッセージを明確にするため、pからmpの間、mpとmfの間、mfとfの間、など、広いダイナミクス・レンジを遵守することが非常に重要でした。

イワン:ありがとうございました!開催国にて再び王者になれることを祈っております。

(ここでヴィンセントが到着する)

イワン:あ、どうぞ、カメラの前へ!プリンシパル・コルネットのヴィンセント・ビアパークです。今、指揮者に演奏した曲について話を伺っていました。昨年11月のスイス・ナショナルズでも演奏していましたね。素晴らしい曲です。バンドの演奏の出来にも満足していると思います。

ヴィンセント:はい、バンドの皆、技術的にも音楽的にも細かいところまで演奏できたので、とても満足しています。

イワン:曲の中の様々な色や質感について指揮者とも話しましたが、あなたも曲を通して色々なダイナミクス・レベル、普段演奏で使わないようなものも吹いたと思います。

ヴィンセント:はい、曲の中にはソロ(のフレーズ)がmpで、しかも全てハイトーンで出てきましたね。

イワン:でも全て音を当てていましたね(笑)

ヴィンセント:あと、冒頭でソロホーンとフリューゲル・ホーンのデュオも凄く難しいのですが、とても良く吹けていたと思います。

イワン:素晴らしい演奏をありがとうございました!開催国のバンドとして、ヴァライジア地区のバンドとして誇りだと思います。またヨーロピアンの大会でお会いできることを楽しみにしております。ありがとうございました!