前回のウィット・フライデーや、ブリティッシュ・オープンなど、イギリスのコンテストには100年以上歴史があるものが存在します。

 

それと同時に、新設のコンテストもまた存在します。

今年、また一つコンテストが新しく始まりました。その名は、「UKバンド・オブ・ザ・イヤー」。

出場するのは、「イギリス国内の上位10バンド」。選考基準は、「2018年12月末の時点で4barsrest.comのランキングで、上位10番までのイギリスのバンド」。

 

出場権を得たバンドは以下の通り。

コーリー(ウェールズ)
トリディーガー(同)
ブリッグハウス(イングランド)
ブラック・ダイク(以下同)
フォーデンズ
フェアリー
フラワーズ
カールトン・メイン・フリックリー
ハモンズ・サルタイア

グライムソープも上位10位に入っていたはずだけど出場バンドリストに無く、参加数が9バンドということは辞退したんですね。辞退が多いバンドだな。

3月の記事ではウィットバーンがラインナップされていたんだけど、ハモンズに変わったようです。またハモンズが直前に準備することに。

 

大抵のコンテストは15〜20分のコンテスト・ピース一曲のみで採点されますが、今回のルールは他と違い、「30分の持ち時間で自由にプログラミングする。その中に任意の楽器のソロピースを一曲必ず含める。しかし演出等エンターテイメント性は求めない。」という、ブラス・イン・コンサートのシリアス版のようなコンテスト。

各バンドが選んだ曲目は、長くなるのでまた別の記事に纏めます。

 

さて、新設のコンテストの初代王者はどこになるか?

結果はこちら。

 

順位 バンド 審査員1 審査員2 審査員3 合計 ソロ
1 コーリー・バンド 1 1 1 3 1
2 ブラック・ダイク 2 2 2 6 2
3 トリディーガー 3 3 3 9 4
4 フェアリー 4 4 4 12 7
5 フォーデンズ 5 5 6 16 6
6 カールトン 7 6 4 17 3
7 ブリッグハウス 6 8 7 21 5
8 ハモンズ 8 7 8 23 9
9 フラワーズ 9 9 9 27 8

 

 

またもコーリー!

 

ヨーロピアンに続き再びメジャーコンテストを制しました。

 

 


 

さて、ここからは私見。

 

このコンテストが発表された時に、イギリス国内でも「これ以上コンテストはいらねぇ」という声がありました。

まぁ、一年通してコンテスト多いしね。トップバンドが出るメジャーなコンテストだけでも、3月の地区予選、5月のヨーロピアン、9月のブリティッシュ・オープン、10月のナショナルズ。

そこにまたコンテスト新設だから、なんかブラスバンドがコンテストが中心で動いている感じ。

 

色々な意見はあるとは思いますが、私見をはっきり言うと、「順位を付けた方が、短期間で全体のレベルが上がる」と思っています。なぜなら、「順位が付くというのは、その演奏が真剣勝負になる」からです。

しかも、その真剣勝負の舞台が一年通して何度もある。たくさんの経験が積める。

 

「コンサートが真剣な演奏ではない」と言うつもりはありません。演奏会も皆真剣にやっているだろうし、良い経験になります。

ただ、コンテストと決定的に違うのは「他のバンドとの関わり」が無い事です。

 

自分たちで企画・運営して、演奏して、総括して終わり。

これは自分たちのバンドだけで回っています。

 

コンテストだと、否応無く他のいくつものバンドが関わってきて、そして比較され、しかも順位が付きます。

そこは、自分達だけで回っていた平和な世界ではありません。「音楽で競うなんてナンセンス」「色々な見方ができる音楽を一方的に数字をつけるなんて」という声はどこの国でもあります。

しかし、他と競う事、そして自分達の演奏を数字で表される事は、嫌でも自分達の立ち位置がハッキリわかります。

 

そしてその立ち位置がハッキリすることにより、その世界の階級のピラミッドが出来上がります。ブラスバンドではセクションとして分けられているアレです。

「ピラミッドの頂点」がハッキリしていれば、トップに行きたい人達が行くべき指標が出来ます。

 

そうやってそこに行き着いた人達が「誰もが認めるスター」になって、色々な人達、特に子供達がそのスターに憧れて「次のスター」になろうとします。こうして良い循環が発生します。

 

競う事でピラミッドが出来上がり、指標が出来、それを目指すべき人が生まれる。

もちろんイギリスのブラスバンドはそれだけで回っているわけではありませんが、この循環は間違いなくレベルの向上に関与しています。

 

コンテストは、全体のレベルを上げるために必要。

これが、私の私見です。

 

まぁもちろん、「そのコンテストに勝てば名誉になる」という所に持っていくためにコンテストの質を上げる努力も必要ですが、これはコンテストの運営という別の話題になるので、ここでは置いておきます。