ウィット・フライデー。

キリストが復活した事を祝う「イースター(復活祭)」は有名ですが、そのキリスト復活の50日後が、使徒達の上に聖霊が降臨した日である「ウィット・サンデー」にあたります。

そのウィット・サンデーの更に次の週の金曜日、それが「ウィット・フライデー」。

 

この日に、”最も幅広くのバンドが参加できるコンテスト”がイングランドで開催されます。名前は「ウィット・フライデー・マーチ・コンテスト」。

僧侶なのにキリスト教を説明していいの?まぁ、同じ世界三大宗教だし。細けぇこたぁいいんだよ。

 

このコンテストのやり方は特殊なもので、まず演奏場所が野外。室内で演奏する事はありません。

そして、演奏場所が20箇所以上ある。場所が設定されているのは、マンチェスターのすぐ東側、「サドルワース」と「テイムサイド」という2つの地区です。

 

北側の赤丸がサドルワース、南側の青丸がテイムサイド。

これらの演奏場所それぞれに審査員がいて、演奏が採点されます。曲は伝統的なマーチであればバンドが自由に選んでOK。

それぞれの演奏場所で順位が決まり、バンドは得点(と賞金)を稼いでいきます。

 

ただ、先述の通り20箇所以上。全部を回るのは物理的に不可能。なので、まず重要なのが「どちらのエリアを選択し、どの演奏場所を狙うか」。

事前のルート設定が勝負を左右します。

 

そして、もう一つ重要なルール。「演奏は先着順。また、他のバンドが演奏中の時は待っていなければならない」。

つまり、同時に複数のバンドが殺到したら結構な時間を待っていなければならず、時間のロス。なので”如何に他のバンドと演奏場所でかち合わないか”が勝負であって、駆け引きの要素も入ってきます。

 

そんなかなり変わったコンテスト、「ウィット・フライデー」。

演奏場所に到着したら、まず「ウィット・ウォークス」という文字通り”行進”から始まります。

こんな感じで、バスの到着場所から演奏場所までの数十mを演奏しながら歩くんですよね。

ちなみにウィット・ウォークスの演奏は、審査対象外です。だから結構皆やりたい放題やってて楽しい。突然トロンボーンが爆音吹いたりしてる。

 

演奏場所に到着したら、こんな感じでマーチ一曲の一発勝負。

ちなみに打楽器は入れちゃいけません。金管楽器だけ。

だから当日打楽器奏者は、専らビデオ係。この動画を撮ってるのも、恐らく高確率でバンドの打楽器メンバー。

 

この動画は夜の演奏ですが、本当に夜遅くまでやります。

だいたい午後4時頃から始まり、日付が変わる頃までの間に、出来るだけ多くの場所を回ります。だから家に帰れるのは真夜中の1時とか2時。タイムスケジュールおかしくない?

 

最初に書きましたが、このウィット・フライデーは「最も幅広くのバンドが参加できるコンテスト」です。

ユースバンドも、4thセクションのバンドも、チャンピオンシップス・セクションのバンドも一堂に会して同じルールの下に競います。このようなコンテストはウィット・フライデーだけ。

また、イギリス以外のバンドも参加できます。今年はアイスランドのバンドも参加。過去に日本のバンドも参加したことがあります。

 

そんなこんなで100年以上の歴史があるこの「ウィット・フライデー・マーチ・コンテスト」。コンテストというよりは、お祭りという感じです。

以上、久し振りのブログ行進更新でした。